エレガンスの季節

冬になると、少ないながらも大陸から渡ってくるミヤマホオジロに会うためだ。時には文庫本を片手に朝早くから日の暮れるまでひたすら声を潜めて待ち、またある時は風花舞う北風の中でもじっとシャッターチャンスを待った。
「チッ チッ」 と地鳴きを頼りに目の前の藪に目を凝らすと、憧れの鳥影が敏捷に見え隠れしている。カメラを構え、眉状の斑紋や喉元のレモンイエローがファインダーに浮かび上がると、ちょっとした緊張感に包まれる。
学名は 「 Emberiza elegans 」 エレガント(優雅)なホオジロというように実に洒落た命名だ。そんな思い出深いミヤマホオジロだが、苦労した割にはまともな写真がほとんど無い。
Nikon D200
Ai Nikkor ED 400mm f/3.5S(IF)