pode ser um romance

週末はスミレに会いに  ★ Returns ★ 〈前編〉

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あっという間に年の瀬。
公私共々何やら忙しなくて、ブログの更新がすっかり滞ってる。実は、今季のブログネタもあれやこれやと総浚いしようかと考えていたけど、ま、ここまで来ては奮起したところでたかが知れてますね。
なので、一応考えていたのが今季出会えた愛しいスミレたちの回顧レポ。これだけは仕上げようと、コツコツ始めたけど、はてさて、どんなもんでしょう。画像の順番とか、出来とか…  希少種とか観察地とか… データ的なことはほとんど気にしてないし、書きたいように書いてます。
まずは前編からどうぞ。



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春浅い渓流沿いの小道。
うつむき加減のこのスミレに出会えた時からスミレシーズンが幕を開ける。
ミソサザイの囀りを聞きながら、清々しいブルーの花弁をファインダー越しに浮かべる。待ち遠しかった時季を実感する瞬間だ。



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その人は、雨上がりの伐採地の斜面を泥だらけになって案内してくれたけど、期待していたゲンジスミレはどうやら空振りのようだ。それでも落胆することなどまったくない。私の身近な里山ではまずお目に掛かれないエゾアオイスミレにこうして出会えたのだから。



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あまり気の進まない家内を誘って登った高尾山。
登山道では、スミレに出会うたびにしゃがみ込んでカメラを構える私とは対照的に、家内はマイペースで黙々と登ってゆく。
尾根に差し掛かる手前の斜面は、タチツボスミレの群生で薄紫色に染まっていた。さすがにときめいたのだろう。そこにはスマホで熱心に撮影する家内の姿があった。



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スミレに関心を持つようになってから何年経つだろう。未だにベストシーズンには出会えず、満足のいく写真を撮れないでいるのがヒナスミレだ。



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まるでスミレサイシンのような鮮やかな色合いのナガバノスミレサイシンに出会った。この時季、毎年のように歩いている 「スミレ街道」 なのに、今までまったく気付かなかったのか、それとも今年初めて花を付けたものなのか。
こうして、何かしらの楽しい出会いが待っているのもスミレハントの魅力のひとつだ。



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エイザンスミレは、私がいちばん最初に名前を覚えたスミレだ。以来、毎年同じ場所に出向いて撮影しているが、最近ではめっきり株数が減少してしまった。たぶん、林床植生の遷移によるものだろう。追われゆくものたち、山間で見られるスミレたちも決して例外ではない。



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このエリアでナガバノアケボノスミレの存在を知ったのは、いがりさんと二人で歩いたWSでのことだった。スミレ談義に盛り上がりながら、いくつもの斜面を越えて出会ったあの光景。それは、薄紅色に染まったナガバノアケボノスミレが咲き乱れる小さな谷だった。外秩父山系には、そんなスミレの花園が人知れず残っている。



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確かな情報もないままスミレを探すことほど徒労はない。 「憧れのアイスブルーは何処へやら」 と、ひとりごとを呟きながら見知らぬ里山を彷徨う。唯一の救いといえば、どこを歩いていても、いつも南アルプスや八ヶ岳の山並みが見えていたこと。
イブキスミレの思い出は、辛くもあり、切なくもあり、そして、優しくもある。



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「何もないので、ヒカゲスミレでもどうですか」 と、案内された小さな森。何もないどころか、ヒナスミレやマルバスミレ、アオイスミレやオオタチツボスミレまである。しかも半端な数じゃない。そこはまるで別天地、スミレの聖地にさえ思えた。そして今シーズンもあの日と同じように、足の踏み場もないほどのヒカゲスミレが出迎えてくれた。



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タカオスミレのベストシ-ズンを読むのはなかなか難しい。今年も期待しながら歩いた裏高尾だったけど、まったくの空振りで蕾さえ付けていなかった。3年ほど前ならちょうど花盛りだったはずなのに。そんな思いをさせられるのもスミレ巡りの悩ましいところであり、飽きのこないところなのかも知れない。



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オトメスミレがなんの変哲もない里山の農道に普通に咲いていた。
スミレに興味を持ち始めて間もない私にとって、それは感動というより、、むしろ衝撃的な出会いだった。恥じらうような乙女の横顔をどんなふうに切り取ろうか、何度も何度もシャッターを切った。
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オトメスミレを正面から。



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スミレシーズンの幕開けとともに足を運ぶとっておきのフィールドは3ヶ所だ。そこは外秩父山系の一角。バラエティに富んだ早春の花々が多い割には人がほとんど訪れないのも好都合だ。思う存分カメラを抱えながら時間を過ごせるのも嬉しい。
春の明るい陽射しの中、ヤマエンゴサクやエンレイソウたちと一緒に、アケボノスミレもあちこちに咲きはじめていた。
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こちらは別個体のアケボノスミレ



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観察会でお馴染みだった古い知人から 「 シロスミレが咲いてます 」 という信じ難い情報が入った。半信半疑で向かったその場所に咲いていたのは、予想どおりアケボノスミレだった。せっかくのご好意なので、 「 確認してみますね 」 と言って現地に行ったものの、それが本当にシロスミレだったら分布的にもちょっとした事件になっただろう。
アリアケスミレに出会うたびに思い出すひとコマだ。



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そろそろ咲き出しているだろうと出掛けた三多摩地区の丘陵帯。照葉樹が鬱蒼と茂る山道を心細く登り詰めると、見逃してしまうほど小さなシハイスミレが目に入った。この丘陵では3年振りの出会いだが、こうして、健気にも約束どおり出会えることが本当はとっても大切なことなのかも知れない。



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思い入れのスミレたち No1 〈サクラスミレ〉

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思い入れのスミレたち No2 〈シコクスミレ〉

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思い入れのスミレたち No3 〈ウスバスミレ〉

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思い入れのスミレたち No4 〈コスミレ〉



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黄色いスミレは、埼玉に住んでいる私にとっては憧れのスミレのひとつだ。何時間も高速道を走ったり、県境の長いトンネルを抜けたり、まだ雪の残る林道を何時間も歩いたり、つまり、そう簡単に会えるスミレではないということだ。
雪解け間もない田んぼの畔でオオバキスミレを撮影していると、「 その草、珍しいの? 」 と、よく訊かれる。新潟あたりの農村では、まるで雑草のような扱いなのだろう。まさに、所変われば何とやら、といったところだ。

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こちらはややミヤマキスミレっぽい感じ。



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ここ数年、スミレシーズンの締め括りは至仏山と決めている。その第一の目的は、チシマウスバスミレに会うためだ。何年か登ってやっと数ヶ所の安定的な自生地を見つけたものの、今シーズンは時期を逸してしまい見事に空振った。
チシマウスバスミレは、別に至仏山でなくても尾瀬とか周辺エリアの高層湿原でも出会えるし、単に撮影が目的ならばそうした地に出向けばいい。でも、私は至仏山でチシマウスバスミレにカメラを向けたい。うまく言えないけれど、説明のつかない私なりの拘り?なのかも知れない。

後編に続く。
by windy1957 | 2014-12-23 18:25 | wild plant