もうひとつの尾瀬 「ぐるっと燧裏林道/後編」 (-_★)キラーン!!
夜半からの大きな雨音にたびたび目を覚ましたが、天気予報を信じてまたウトウトする。
宿泊客の階段を上り下りする音で目を覚ますと、窓には雨垂れが…。その割には雨音はしない。天気予報通り、早朝にはもう雨は上がっていたようだ。
ザックの荷繕いを済ませ、地図を見ながらボンヤリと今日の行程を辿っていると、朝食のアナウンスが入った。
今朝のメニューはこんな感じ。ご飯は大盛りで2杯平らげた。
単独行だし焦ることも無かったが、早々に私も宿を後にした。時間は午前7時過ぎ。御池直行では味気ないのでとりあえず三条の滝を目指すが、ひんやりと冷気が漂い、無料休憩所の佇まいもどことなく寒々しい。
この時も若者グループに釣られるように三条の滝への険しい山道を辿ったが、正直言ってこの時点でもまだあまり気乗りはしていなかった。
初めて見る光景、それはそれで壮観ではあったがほとんどの人は先を急いで立ち去ってしまうので、私もそのまま若者グループの後に付いた。
見た目よりも急こう配で、オマケに雨上がりのために滑る。マジでちょっとビビった。
轟音とともにかなりの水量が一気に落ち込んでいる。かなりの迫力だが、なかなかいい撮影ポイントが無く、結局シャッターを押したのは数枚だけ。
「渋沢温泉」
きっといつの日か、この温泉宿を訪ねよう… と思った。
2、3歩足を運んでは立ち止まる。それにしても若人の足取りは軽い。っていうか、疲れを知らないのだろうか、彼らは…。
気持ち良さそうに林立するブナ。その中を歩くのは事のほか楽しいし、感慨深い、そして、やっぱり浪漫だ。
この頃になって俄かに曇天模様となり、時折ひんやりした風も吹くようになった。
一瞬、木々や葉っぱが輝く。シャッターチャンスは束の間だ。
うっかりすると見過ごしてしまうような小さな湿原。というか、湿地という感じ。
今までの樹林帯から一気に開放感のある湿原に出たため、一瞬戸惑ってしまうが歩いていて気持ちの良い湿原だった。湿原全体が斜面になっているのも何となく不思議だ。
木道の敷設替え工事のため、真新しい木道が傾斜湿原に無造作に伸びていた。廃材も散らばり、工事の爪後もあって、半ばがっかりしながら歩いたが、これも登山者の安全確保の観点から仕方ないのかも知れない。これから後年度、しばらくの期間は味気ない景観を余儀なくされてしまうのがちょっと惜しい。
こちらもミネカエデ同様で遠目に見る分には目立たないが、やはり葉っぱは痛んでいる。
すれ違う人も比較的ラフな身支度をしている。たぶん御池はもう近いのだろう。
何度尾瀬に来ても登るのは至仏山ばかり。私は、未だに燧ケ岳には登ったことが無い。
ここから関越自動車道の小出ICまでが、ほんと、飽きるほど長~い。
ここの蕎麦が美味い!っていう情報は事前に入手していたし、実は、その自慢の蕎麦を食することも目論んでいたのだ。
メニューは盛り蕎麦とかけ蕎麦だけ。いちばん奥の小上がりに座って、素朴な面立ちのオバチャンに盛り蕎麦を注文すると、「良かったねぇ 今日から新蕎麦だよ」と照れながら笑い掛けてきた。
これがその注文品。
蕎麦が美味い!っていうのはこういうことなんだね、と初めて思った。筆舌にし難いっていうのはこういうこと。
ということで、新潟寄りのもうひとつの尾瀬口、小沢平から車で10分ほど。絶品!清四郎小屋のお蕎麦です。どうぞ、ごひいきに!
終り。
by windy1957
| 2013-10-21 17:57
| mountaineering