もうひとつの尾瀬 「 ぐるっと燧裏林道/前編 」 m(▼皿▼)m ヨロシュウ
今回(恐らく今シーズン最後かな…)の尾瀬行は、ブナの森を縫うように伸びる燧裏林道を辿ることに決めた。いわゆるメジャーなルートとは一味変わって、喧騒を逃れるにはうってつけの 「もうひとつの尾瀬」 に浸れる憧れのルートだ。
先ほどまでの青空が寒風とともに曇天に変わり、ひとりの杣道歩きはちょっと人恋しいが、ブナの森を彷徨いながら想いを巡らすのも悪くない。
未知のルートを独りで? クマとの遭遇? 本当は小度胸で山慣れしていない私だけれど、そんな心根は杞憂に過ぎなかった。
ということで、まずは前編から。
画像は私にしては多いです、40点ほど。レポはサラッと書いたつもりですけど、所々で出ちゃいますね、本音が…。
埼玉の森は色付くどころかまだまだ緑色なのに、桧枝岐ではこんなにも黄葉(紅葉)が進んでいた。今朝は4時前に家を出たためボンヤリ冴えい運転だったが、ここへ来て、この森を見て、いっぺんに眠気は吹っ飛んでしまった。
駐車場はご覧のとおり7割ほどの入りって感じ。
気に掛かっていた天気もまずまずだ。まずは家から持参した特大おむすびを頬張り、一息入れてから沼山峠行きのシャトルバスに乗り込む。
ブナ平は眺めるよりも、やっぱり歩いてみたい森だ。
この佇まい、懐かしい… 何年ぶりだろう。
歩きづらい歩幅の合わない階段が…。
樹木たちは様々な知恵と工夫と手段で世代交代に挑んでるのだ。
周りの木々もずいぶんと成長したため、以前よりも沼の景観が効かなくなってしまったのが惜しい。
見た目そのままのネーミングで、一度聞けば印象に残るはず。組成成分としてサリチル酸を含んでいるので、湿布薬のような香りがするのも特徴。
「こんにちは」 とすれ違った二人連れを、ふと、振り返る。
これもなんとなくセンチメンタル。そんな心情を捉えられないものかとシャッターを切ったが、ご覧のとおり。
本来の狙いは違ったが、画像の出来は、なんとなくシルエットロマンス。
ちょっと意外だけど、尾瀬では初めての出会い。(毒キノコ)
尾瀬では頻繁に見掛けるキノコ。(食毒不明:食した経験はあります)
ブナやダケカンバの倒木または衰弱木に発生する。ムキタケとの誤食例もあり注意が必要。(毒キノコ)
窓の向こうの桟橋の風景。望遠で覗いたら、ちょっと素敵だったので…。
冷水に浮かぶビールだが、手を出すにはちょっと躊躇してしまう。
これを贅沢というべきか、淋しいというべきか… たぶん 「思う存分」 っていう言葉がぴったりなんだろうね。
大きな石コロがゴロゴロの登りだが、ここへ来て忘れかけていた 「tuu-fuu」 の鈍痛のような感触がジワリジワリと…。
やれやれと気を取り直すけれど、辺りにはやっぱり誰も居ない。
「伊南村 星 諭」 と刻まれているようにも読める。ナタ目を刻む意味は諸説様々なようだが、杣人やマタギの 「領域」 としての目印らしいのだが…。
見晴十字路はもう近い。
この新芽は、知る人ぞ知る美味な山菜として名高い。
いつものように喧噪の尾瀬ヶ原からここへ辿り着いた印象とはまったく違う。森をしばらく歩き、心細くなりはじめた頃に出くわす人の気配、そんな印象というか安堵感がある。
これも、あの晩夏の日の余韻かな… と一枚撮る。
赤田代湿原の先に温泉小屋が見えてきた。
実は、尾瀬でもこのエリアに泊まるのは初めてのこと。なかなか趣があっていいじゃん。温泉も楽しみだ。
アルバイトのお兄さんに聞けば、この8畳間に6人が泊まるという。シーズン中だからね、ま、仕方ないか。
撮り方が上手いんだろうね?? 意外と良い感じじゃん??
アナウンスがあっていそいそ階段を下りれば、食堂への廊下はご覧の通り。シーズン中だからね、ま、仕方ないか。
エビフライもサーモンのマリネも、ローストビーフにイワナの甘露煮、磯部揚げも、み~んな美味しくいただきました。
そこは静かな尾瀬の片隅。もの想う畢竟の宿は、ゆっくりと、とっぷりと暮れてゆくのでした。
後編へ続く。
by windy1957
| 2013-10-14 13:02
| mountaineering