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pode ser um romance

もうひとつの尾瀬 「 ぐるっと燧裏林道/前編 」 m(▼皿▼)m ヨロシュウ

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予想していたより秋の訪れは滞っている感じだったが、ダケカンバの黄、ナナカマドの赤、ミズナラの橙はやっぱり目を惹く色合いだ。
今回(恐らく今シーズン最後かな…)の尾瀬行は、ブナの森を縫うように伸びる燧裏林道を辿ることに決めた。いわゆるメジャーなルートとは一味変わって、喧騒を逃れるにはうってつけの 「もうひとつの尾瀬」 に浸れる憧れのルートだ。
先ほどまでの青空が寒風とともに曇天に変わり、ひとりの杣道歩きはちょっと人恋しいが、ブナの森を彷徨いながら想いを巡らすのも悪くない。
未知のルートを独りで? クマとの遭遇? 本当は小度胸で山慣れしていない私だけれど、そんな心根は杞憂に過ぎなかった。
ということで、まずは前編から。
画像は私にしては多いです、40点ほど。レポはサラッと書いたつもりですけど、所々で出ちゃいますね、本音が…。




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今回は尾瀬御池からの入山予定なので、現地へは福島県の桧枝岐経由で向った。
埼玉の森は色付くどころかまだまだ緑色なのに、桧枝岐ではこんなにも黄葉(紅葉)が進んでいた。今朝は4時前に家を出たためボンヤリ冴えい運転だったが、ここへ来て、この森を見て、いっぺんに眠気は吹っ飛んでしまった。


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御池には午前8時前に着いた。5時間弱のドライブだったが、さすがに長いし疲れた。
駐車場はご覧のとおり7割ほどの入りって感じ。
気に掛かっていた天気もまずまずだ。まずは家から持参した特大おむすびを頬張り、一息入れてから沼山峠行きのシャトルバスに乗り込む。


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シャトルバスに同乗していたボランティアの現地ガイドさんらしき男性が、「ここがブナ平です。今がまさに黄葉のピークですね」 と案内を始めた。ご丁寧にもバスは一時停車し、一寸の撮影タイムとなった。
ブナ平は眺めるよりも、やっぱり歩いてみたい森だ。


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沼山峠に到着。
この佇まい、懐かしい… 何年ぶりだろう。


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記憶には無かったが、やっぱりここにも。
歩きづらい歩幅の合わない階段が…。


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倒木更新は、壮大な森のドラマのひとコマだと思う。
樹木たちは様々な知恵と工夫と手段で世代交代に挑んでるのだ。


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沼山峠の展望テラスから尾瀬沼を眺める。
周りの木々もずいぶんと成長したため、以前よりも沼の景観が効かなくなってしまったのが惜しい。


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登山道の陽だまりでは、所々でゴゼンタチバナの赤い実が目を惹く。


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こちらはシラタマノキ。
見た目そのままのネーミングで、一度聞けば印象に残るはず。組成成分としてサリチル酸を含んでいるので、湿布薬のような香りがするのも特徴。


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さほどヘバることもなく、峠から30分も下ると大江川湿原がチラチラ見え始めた。


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大江川湿原、草紅葉の情景はどことなくセンチメンタル。
「こんにちは」 とすれ違った二人連れを、ふと、振り返る。


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湿原を渡る風。
これもなんとなくセンチメンタル。そんな心情を捉えられないものかとシャッターを切ったが、ご覧のとおり。


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先ほどまで惜しみなく全容を見せていた燧ケ岳だが、冷気を伴った不意の突風とともにその頂きを隠し始めた。


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長蔵小屋メモリーⅠ「あの日の余韻」

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長蔵小屋メモリーⅡ「ひとつの物語」

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長蔵小屋メモリーⅢ「その先の風景」

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長蔵小屋メモリーⅣ「サヨナラ 長蔵小屋」


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お馴染の三本カラマツ。
本来の狙いは違ったが、画像の出来は、なんとなくシルエットロマンス。


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ベニテングタケ。
ちょっと意外だけど、尾瀬では初めての出会い。(毒キノコ)


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スギヒラタケ。
尾瀬では頻繁に見掛けるキノコ。(食毒不明:食した経験はあります)


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ツキヨタケ。
ブナやダケカンバの倒木または衰弱木に発生する。ムキタケとの誤食例もあり注意が必要。(毒キノコ)


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遠目にも際立つ色付きの正体は、見事なナナカマドの赤い果実だった。


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沼尻の休憩所は、休もうか、先を急ごうか、いつも悩みどころ。結局、この日もここでは食わず飲まずでウロついただけ。
窓の向こうの桟橋の風景。望遠で覗いたら、ちょっと素敵だったので…。


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天気は俄かに曇り空。
冷水に浮かぶビールだが、手を出すにはちょっと躊躇してしまう。


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ここから先を辿るのは何年ぶりだろう。


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白砂湿原には誰も居ない。
これを贅沢というべきか、淋しいというべきか… たぶん 「思う存分」 っていう言葉がぴったりなんだろうね。


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白砂乗越にとりつく。
大きな石コロがゴロゴロの登りだが、ここへ来て忘れかけていた 「tuu-fuu」 の鈍痛のような感触がジワリジワリと…。


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喘ぎながら白砂峠に到達。
やれやれと気を取り直すけれど、辺りにはやっぱり誰も居ない。


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多少のアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げ、賑っているであろう見晴十字路へと向かう。


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オオカメノキは葉っぱといい、果実といい、早春から晩秋まで山道の傍らでいつも楽しませてくれる。


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ブナに刻まれたナタ目。
「伊南村 星 諭」 と刻まれているようにも読める。ナタ目を刻む意味は諸説様々なようだが、杣人やマタギの 「領域」 としての目印らしいのだが…。


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これもオオカメノキのちょっとした演出。


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何となく雰囲気で分かる。
見晴十字路はもう近い。


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この時季、ちょっとした山に登って、掌状のように展開したレモンイエローに染まる葉っぱを見掛けたら、それはほぼコシアブラだと思っていい。
この新芽は、知る人ぞ知る美味な山菜として名高い。


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そのコシアブラの黄葉を配した森の点景。


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森が開けて明るくなったあたり、山小屋が見え始めてくるとホッとする。


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ここが見晴十字路。
いつものように喧噪の尾瀬ヶ原からここへ辿り着いた印象とはまったく違う。森をしばらく歩き、心細くなりはじめた頃に出くわす人の気配、そんな印象というか安堵感がある。


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見晴十字路では、無料休憩所で持参した手弁当を食べ始めたが、ポツリ、ポツリと小雨が降り出したので、さっさと切り上げて宿泊予定の温泉小屋を目指す。
これも、あの晩夏の日の余韻かな… と一枚撮る。


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急ぎ足で木道を30分ほど。
赤田代湿原の先に温泉小屋が見えてきた。


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木道を振り返ると、鉛色の雲の切れ目から思いがけず西陽が射し始めた。


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向いの山肌もこんなふうに陽が射し始めて、おぉ~ フォトジェニック!


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これが温泉小屋。
実は、尾瀬でもこのエリアに泊まるのは初めてのこと。なかなか趣があっていいじゃん。温泉も楽しみだ。


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15時前。207号室、一番乗り。
アルバイトのお兄さんに聞けば、この8畳間に6人が泊まるという。シーズン中だからね、ま、仕方ないか。


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こちらは売店のカット。
撮り方が上手いんだろうね?? 意外と良い感じじゃん??


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山小屋で楽しみなのはやっぱり晩ご飯。
アナウンスがあっていそいそ階段を下りれば、食堂への廊下はご覧の通り。シーズン中だからね、ま、仕方ないか。


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どうです、このメニュー。
エビフライもサーモンのマリネも、ローストビーフにイワナの甘露煮、磯部揚げも、み~んな美味しくいただきました。


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噂によれば明日の天気は上々とのこと。
そこは静かな尾瀬の片隅。もの想う畢竟の宿は、ゆっくりと、とっぷりと暮れてゆくのでした。

後編へ続く。
by windy1957 | 2013-10-14 13:02 | mountaineering