pode ser um romance

カテゴリ:memory of Satoyama( 88 )

里山逍遥 No12 「水辺の冬影」

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夜半から吹いていた北風は朝になってもおさまらなかった。
大寒の一日。
どうしようか迷っていたけど、予定していた家事は思いのほか順調に済んだので、「冬鳥に会えるかな?」と、仄かな期待に後押しされて、彼のフィールドへ愛車の軽トラを走らせた。


「冬影:とうえい」とは即席で考えた造語なのでご容赦を。
寒い日は寒いなりに、そんな便りを里山から届けられないものかとレポった次第だけど、さてどんなものでしょう。
8枚の自己満足。
よろしかったらどうぞ。

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by windy1957 | 2014-01-21 12:29 | memory of Satoyama | Comments(10)

里山逍遥 No11 「冬木群に寄せて」

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年明け早々は酒に呑まれてしまい、山歩きどころか里山さえうろつくことができなかった。
呑んだり、食べたり、寝たり… これではあまりにも堕落してしまっているので、正月休みも残すところ一日、馴染みの森をゆっくり歩いた。
あえてこの時季。目に映るものといえばとりたててトキメクものは無いけれど、いつもの小径、いつもの木立、いつもの水辺が変わらずそこにあるってこと。本当は、それがとても意義深いことなのかも知れない。

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by windy1957 | 2014-01-08 22:18 | memory of Satoyama | Comments(22)

里山逍遥 No10/往く秋を歩くとき

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里山の秋色は、どちらかといえば12月に入ってからその色合いを増す。
もちろん、それは私の住む馴染みの里山の話だが、今シーズンは、楽しみにしていたアオハダやイヌシデの目の覚めるような黄葉をことごとく見逃してしまった。
それでも、こんなふうに木の葉がいっぱいの小道を、密かに渡ってきているであろう冬鳥を探しながら歩くのはなんとなく心躍るもの。

週末、カメラを抱えて小一時間ほど歩いた里山。
こんな感じで、もう往く秋ですね。

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by windy1957 | 2013-12-08 00:12 | memory of Satoyama | Comments(12)

里山逍遥 memorandumⅤ 「君を待つ時間」

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これからの時季、里山は色とりどりの冬鳥たちで賑う。
あの頃は、そんな美しい冬鳥たちの撮影に嵌り、毎週末は日が暮れるまで森の“定番ポイント”でカメラを構えた。

狙いは、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ルリビタキといった冬の里山のスターたちだ。バードウォッチャーからは死角になるそのポイントでは、一日中自分のペースで誰にも邪魔されずに過ごせるのも嬉しかった。が、必ずしも撮影は満足する時ばかりではなかった。
山間の小さな陽だまりに陣取り、ただひたすら彼らを待つのだが、シャッターチャンスはそう簡単には訪れない。吹き荒ぶ北風の中、ただ待つだけの時間。まったくあてが外れてしまい、1度もシャッターを切らずにトボトボ帰る日もあった。

この日は予報に反して小春日和になった。
まだ霜の残る畦道から山道を辿り、いつものポイントにカメラを据える。テルモスの温かいコーヒーを飲み始めて間もなく「チッ チッ」っと微かに地鳴きが聞こえた。
「来た!?」
その途端、背後を素早く鳥影が横切る。
狙い通りの小枝に姿を現したのはアオジだった。
オリーブグリーンの肢体は微かに震え、ほんの数メートル先の私に気付く気配もないのだが、数枚シャッターを切ると、パタパタっと羽音とともに飛び去ってしまった。

場所が場所だけに、そのポイントは昼下がりにはすっぽりと日陰になってしまう。すっかり冷や飯になった弁当を食べながら、いつものように「君を待つ時間」と題した記録ノートを執る。
時刻は15時過ぎ。
時折、上空を猛禽類が風に乗って横切っていく。日が陰ってから、急に風向きも変わったようで少し冷え込んできた。
この日は、それっきり彼らが現れることはなかった。
by windy1957 | 2013-11-29 12:46 | memory of Satoyama

里山逍遥 memorandumⅣ 「落ち葉のコンチェルト」

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足元には 「たった今落ちました…」 と言わんばかりにイタヤカエデが西陽に透けていた。

樹木にとって葉を落とすということ。
それは、厳しい冬を凌ぐための手段であり、春からの躍動のために備える掛けがえのない生理でもあるのだ。
落とされた葉っぱは、少しずつ時間をかけて土に還り、樹木が生きてゆくための養分となって再び樹体に取り込まれる。樹木(植物)は、私たちのように食を頼って生きる消費者とは違って、自ら養分を生成し、自らを切り削ぎながら成長し、生きてゆく生産者なのだ。
と、まさかそんな理屈を頭に置きながらこのイタヤカエデを撮ったワケではなくて、何故か、アルバート・ハモンドの「落ち葉のコンチェルト」を鼻歌交じりでファインダーを覗き、この被写体と向き合っていた、ということ。
たとえば、こんな感じで。
   
   You turned me on
   so bad that there was only
   one ahing on my mind
   an overnight affair
   was needed at the time



さて、里山逍遥 memorandum も4回目。
HPの頃からお付き合いしていただいている方はすでにお気付きでしょうね。そう、UPしている画像は基本的にリバイバルです。が、まつわるキャプションはすべてリニューアルです。要するに昔の画像を引っ張り出して、再び想いを吹き込んで… っていうことかな。
by windy1957 | 2013-11-27 13:38 | memory of Satoyama

里山逍遥 memorandumⅢ

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台風一過の一日。
午前中の森作業を終えてから、久しぶりに馴染みの里山路を歩いた。
目的のひとつはサクラタデの撮影だったが、悲しいかな、自生地の畦はすっかり刈り払われてしまい、楽しみにしていたサクラタデは見る影も無かった。

清々しい秋晴れとは裏腹に、多少の気落ちを隠せないまま農道を辿っていると、刈り入れの終わった田んぼの畦を紅く染めるほどのイヌタデが目に入った。これといった意図は無かったが、カメラを取り出して構えてみると、これがちょっと意外。ズボンの膝はすっかり泥水に濡れてしまったものの、ファインダーの中にはご覧の情景が浮かび上がっていた。

ふだん見向きもしないイヌタデが、なんの変哲もない畦に煌めいていて、何故か妙に心は躍った。
花言葉は 『あなたのために役立ちたい』 これにもグッときてしまう。
今回はイヌタデに魅せられてしまった、というか、すっかりやられてしまった。
by windy1957 | 2013-10-28 12:32 | memory of Satoyama | Comments(16)

里山逍遥 memorandum Ⅱ

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淡き里山。
それは春先の淡さではなくて、秋から冬に向けての静かな淡い情景。
刈り入れも終わって、どことなく晩秋の気配漂う谷津田。聞こえるのは、ただ、虫の小さな鳴き声だけ。
スーッと冷やかな風。そして、ポツン、ポツンとまた雨が。
それは、秋霖にうっすら煙る淡き里山の時間。

by windy1957 | 2013-10-10 14:51 | memory of Satoyama

里山逍遥 memorandum Ⅰ

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もう、ずいぶん前のこと。
10月というのに微かにセミの声。どうしてもそのひとことが言えないまま、他愛のない会話が往ったり来たり。
ほんと、罪だよね。本当はひんやりと蒼ざめ、醒めた横顔を隠してるくせに、ふたりの時間を取り繕ってる。

そんな感傷の思いが、ひとつ、ふたつ。
さながら霞める、暮れそうで暮れない時間

by windy1957 | 2013-10-09 14:00 | memory of Satoyama

里山逍遥 No9/往く夏の情景

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今夏も田んぼの畦にミゾハギが咲き出した。
毎年お馴染みの光景だが、ついついカメラを向けてしまう。
そこは車の往来の多い県道沿いで何となく気恥ずかしかったが、ファインダーに浮かび上がったミゾハギの色合いに、いつしか往く夏を感じていた。

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by windy1957 | 2013-08-22 23:33 | memory of Satoyama | Comments(10)

里山逍遥 No8 「小さな谷に舞い降りた春」

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もうそろそろかな、とカメラと数本のレンズをバックに詰め、いつも通っている森の小さな谷へ車を走らせた。
あたりはまだ枯れ色で、お目当ての愛おしい花の気配はちょっと薄い。「まだ早かったかな…」 と思った瞬間、枯葉の上にすっきりと開いた薄紅色の花弁が目に飛び込んだ。

今年も逢えた。
それは、この森の小さな谷にひっそりと花を付けるオオミスミソウだ。
春まだ浅い雪国では、スハマソウ、ミスミソウと並んで色とりどりの 美しい花を林床に咲かせる。
今春は思いのほか花粉が飛び交っているという。鼻水、なみだ目、クシャミにも負けず、小さな谷にはシャッターの音だけがいつまでも響いた。

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by windy1957 | 2013-03-12 23:00 | memory of Satoyama | Comments(18)