pode ser um romance

里山閑話

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蜘蛛の話をひとつ。
観察会などで意外と重宝な題材となってくれるのが蜘蛛。ご覧の蜘蛛はジョロウグモといって、大概の場所で普通に見られる蜘蛛だが、これがなかなか面白い。ちなみに写真上方の小さな蜘蛛がオス、メスとはこれほどの体格差がある。
たとえば、観察会でこの蜘蛛を見つけたら、その巣網を差して参加者にこんなふうに問いかけてみる。
「蜘蛛って、どうして自分の巣網には絡まないの?」
とか、「どうしていつも下を向いているの?」
といった具合に。
蜘蛛が自分の巣網に絡まないのは、巣網の縦糸と横糸の成分に秘密がある。ご覧の写真では縦糸は細くてほとんど見分けられないが、中心から放射状に張られた縦糸は粘らないため、蜘蛛はこの縦糸に脚を掛けて不自由なく移動している。一方、獲物はネバネバの横糸に絡んでしまい、まんまと餌食になってしまうというワケだ。巣網を張る位置だって決して気紛れでじゃなくて、実は入念な下見があってのこと。獲物が現れそうな空間を周到に物色し、準備万端、すべて条件が整った段階でようやく巣網の設計に入る。ただひたすら待つだけの典型的なまちぶせスタイルだから、少しでも効率よく獲物を獲らねばならない。蜘蛛にとって、巣網の造作は生死に関わる問題なのだ。
また、写真からもお分かりのように蜘蛛が自分の巣網上でいつも下を向いているのは、重力に任せて容易く獲物に移動できるためだ。だから、特にジョロウグモの巣網は下方に向かって面積が広く造作されているのが特徴、これもすべて計算づくめ。
肉食系である蜘蛛は、森の生態系では隠れた第一人者ともいえる。その怪しげな容姿から愛着を持てる方は少ないかも知れないが、フィールドワークの折、蜘蛛の巣網を見つけたらちょっと立ち止まって観察してみてほしい。曲者であり愛嬌者でもあるそんな蜘蛛の一端が、ひょっとしたら垣間見えるかも知れない。


Nikon D300
AF-S 70-200mm f/4G

by windy1957 | 2016-10-20 12:20 | memory of Satoyama | Comments(2)
Commented by イナ at 2016-10-24 17:30 x
こんにちは。
蜘蛛に少し親近感がわいてきました。
今まで邪魔っけな蜘蛛の巣めと、すぐ払い落として
しまっていましたが、彼らなりに考え、考え巣を張って
いるのですね。人間が獲物ではちょっとデカ過ぎ!
メスに比べてオスの小さいこと、まさに女王様いや
女郎様ですね。男はつらいよ。
Commented by windy1957 at 2016-10-27 14:45
イナさん、いつもありがとうございます。
蜘蛛の話、なかなか面白いでしょ。私も観察会などで
は話の題材として、蜘蛛の巣網にはよくお世話になっ
ているんですよ。参加者は目を丸くして話を聞いてく
れるんです。
虫の世界では、♂と♀の体格差は蜘蛛と同じようなケ
ースが多いみたいです。♂から見ればこの大きさって
脅威ですよね。どの世界でも〇〇って、強いですね(笑)