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pode ser um romance

週末はスミレに会いに ★ Returns ★ 〈後編〉

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気ままなスミレレポの後編です。
たとえ季節外れの総括編であっても想像以上の反響に正直言ってビックリです。コメントの有無に関わらず、こうしてみなさんから多くの感心を寄せていただけるのは素直に嬉しいこと。
憧れのスミレとの嬉しい初対面、やり場のない虚しさを目の当たりにしたフィールドの足跡など、こうして振り返れば悲喜交々なスミレ巡りだけど、意のまま気の向くまま綴ってみますので、宜しかったらお付き合いくださいませ。



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私にとって、通い慣れた尾瀬以外では出会うチャンスの少ないオオバタチツボスミレだが、今シーズンは志賀高原でも観察することができた。木道から屈み込むような撮影スタイルはここでも同じだったが、それでも満足。「今年は会えない… 」 と思い込んでいた矢先での出会いだった。



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玉原高原のミヤマスミレは、花弁の色合いに変異があるのでちょっと悩ましい。タチツボスミレかと思って近づくと薄紫色のミヤマスミレだったり、そうかと思えばハッとするほど色鮮やかな群落に出会ったりもする。この日歩いたブナの森の林床は、目覚めたばかりのミヤマスミレでいっぱいだった。



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僅かな情報を頼りに、山梨の御坂山塊までこのスミレに会いに行った。
最初の目的地では予想通りの空振り。半ば諦め気分でイブキスミレを探した帰り道。車窓越しに見えたマルバスミレのようなシルエット、葉裏の紫色も一瞬見えたような気がした。 「 もしかして! 」 と車を停めて駆け寄ると、何の変哲もない石垣の隙間に花を咲かせていたのは紛れもなくゲンジスミレだった。一日中歩いても出会えなければ、こんな咄嗟な出会いもある。こんなところもスミレハントの面白さかも知れない。



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ナガハシスミレは、たとえば新潟辺りの里山を歩けば大概出会うことのできるスミレだ。雪解け間もない田んぼの斜面。オオバキスミレやスミレサイシンとともにナガハシスミレの咲く風景は、私にとって心の原風景でもある。



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Hybrid Romance NO1



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Hybrid Romance No2



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Hybrid Romance No3



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そのスミレは、長い間私にとって高嶺のスミレのひとつだった。
会いたい一心で参加した植物観察会。「たぶん咲いてますよ」 の言葉に後押しされつつも、尾根へと続く長い登山道を心細く見上げた。
気になっていた開花状態は上々で、もうすっかり有頂天。ガスの晴れ間、八方池を望む斜面に点々と咲くクモマスミレに同行者からも歓声が上がる。この時ばかりは人目も気にせず、腹這いになりながら、何度も何度もシャッターを切った。

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クモマスミレ その2



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キバナノコマノツメは印象としては高山のスミレといった感もあるが、信州あたりでは高原帯でも目にすることがある。
私は黄色いスミレには特別な思いを抱いているので、どんな時期に、どんな所で会っても時めいてしまう。



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今シーズンはナエバキスミレにも約束通り会うことができた。山から吹き降ろす冷たい風に耐えながらの撮影だったが、こうしたスミレとの会話にいつの間にか心もホットになってしまう。



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「 エゾノタチツボスミレが咲き出しましたよ 」 との嬉しいお誘いに、逸る気持ちで関越自動車道に乗った。
薄らと陽が射しこむような林道沿いの疎林内に、比較的背丈のある白いスミレがあちこちに花を付けている。一見、なんの変哲もないシチュエーションのようだが、なかなかどうして、私の住む埼玉あたりではどこでもそう簡単に見られるような光景ではないのだ。そんな愛しい思いでこの地に通うようになってから、かれこれ10年が経とうとしている。



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ヒゴスミレは決して珍しいスミレではないが、かと言ってどこでも見られるスミレでもない。
群馬県北部の山間。雨上がりの林道を登り詰めると、小規模な伐採地に出くわした。そこにはエイザンスミレやアケボノスミレと一緒に、はじめて目にするヒゴスミレもたくさん咲いていた。目を疑う光景とはこういう状況のことなのだろうか。ズボンも長靴も泥だらけになりながらヒゴスミレと遊んだ一日だった。



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フモトスミレと初めて会ったのは、川乗山の麓の小さな谷だった。「 これほど小さなスミレとは… 」 というのが素直な第一印象だった。まだ春浅い登山道では、咲く花もまだ少なくて、ベタッと座り込んだまま地面にカメラを向ける人なんてほとんどいない。大抵の登山者は「 何だろうね 」 と囁き合いながら通り過ぎて行く。
今シーズンは奥武蔵山系のとある山でフモトスミレと出会った。しかも、そのほとんどが葉っぱに斑の入った美しいタイプのものばかり。写真の出来は別として、まさにいがりさん曰く 「 ハイセンスな一品 」 を再認識した次第である。


「 週末はスミレに会いに ★Returns★ 前編/後編 」 をご覧いただきありがとうございました。特に珍しいスミレとの出会いこそありませんが、こうして今シーズンの出会いをまとめてみれば、改めてスミレへの思い入れは募ります。
年が明ければスミレシーズンも、あっという間にやってきます。
悩ましくもあり、嬉しくもあり、忙しい日々がまたやって来ますね。相変わらずの駄弁りが続きますが、また宜しくお付き合いくださいませ。
by windy1957 | 2014-12-29 15:45 | wild plant