週末はスミレに会いに ★ Returns ★ 〈後編〉
たとえ季節外れの総括編であっても想像以上の反響に正直言ってビックリです。コメントの有無に関わらず、こうしてみなさんから多くの感心を寄せていただけるのは素直に嬉しいこと。
憧れのスミレとの嬉しい初対面、やり場のない虚しさを目の当たりにしたフィールドの足跡など、こうして振り返れば悲喜交々なスミレ巡りだけど、意のまま気の向くまま綴ってみますので、宜しかったらお付き合いくださいませ。
最初の目的地では予想通りの空振り。半ば諦め気分でイブキスミレを探した帰り道。車窓越しに見えたマルバスミレのようなシルエット、葉裏の紫色も一瞬見えたような気がした。 「 もしかして! 」 と車を停めて駆け寄ると、何の変哲もない石垣の隙間に花を咲かせていたのは紛れもなくゲンジスミレだった。一日中歩いても出会えなければ、こんな咄嗟な出会いもある。こんなところもスミレハントの面白さかも知れない。
会いたい一心で参加した植物観察会。「たぶん咲いてますよ」 の言葉に後押しされつつも、尾根へと続く長い登山道を心細く見上げた。
気になっていた開花状態は上々で、もうすっかり有頂天。ガスの晴れ間、八方池を望む斜面に点々と咲くクモマスミレに同行者からも歓声が上がる。この時ばかりは人目も気にせず、腹這いになりながら、何度も何度もシャッターを切った。
私は黄色いスミレには特別な思いを抱いているので、どんな時期に、どんな所で会っても時めいてしまう。
薄らと陽が射しこむような林道沿いの疎林内に、比較的背丈のある白いスミレがあちこちに花を付けている。一見、なんの変哲もないシチュエーションのようだが、なかなかどうして、私の住む埼玉あたりではどこでもそう簡単に見られるような光景ではないのだ。そんな愛しい思いでこの地に通うようになってから、かれこれ10年が経とうとしている。
群馬県北部の山間。雨上がりの林道を登り詰めると、小規模な伐採地に出くわした。そこにはエイザンスミレやアケボノスミレと一緒に、はじめて目にするヒゴスミレもたくさん咲いていた。目を疑う光景とはこういう状況のことなのだろうか。ズボンも長靴も泥だらけになりながらヒゴスミレと遊んだ一日だった。
今シーズンは奥武蔵山系のとある山でフモトスミレと出会った。しかも、そのほとんどが葉っぱに斑の入った美しいタイプのものばかり。写真の出来は別として、まさにいがりさん曰く 「 ハイセンスな一品 」 を再認識した次第である。
「 週末はスミレに会いに ★Returns★ 前編/後編 」 をご覧いただきありがとうございました。特に珍しいスミレとの出会いこそありませんが、こうして今シーズンの出会いをまとめてみれば、改めてスミレへの思い入れは募ります。
年が明ければスミレシーズンも、あっという間にやってきます。
悩ましくもあり、嬉しくもあり、忙しい日々がまたやって来ますね。相変わらずの駄弁りが続きますが、また宜しくお付き合いくださいませ。
by windy1957
| 2014-12-29 15:45
| wild plant