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pode ser um romance

里山逍遥Ⅹmemorandum 「妖精たちの谷から」

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スミレたちの谷に続いて、今回は 「妖精たちの谷」 をお届けしよう。
主人公はご覧のオオミスミソウだ。
画像プロバティで確認したら、撮影日は3月25日だった。ここへ来て春のドカ雪に遭ったが、約1ヶ月先にはまたこの妖精たちに会える。
この画像の撮影は上越あたりの名だたる山でも森でもなく、普段から私たちが作業に通っている馴染みの森である。その森の小さな谷に数株のオオミスミソウが密かに息づいている。偶然、この花を探し当てた時の興奮と感動は例えようもないものだったが、同時に 「どうしてこんな場所に?」 という素朴なな疑問も残った。
植生からして、分布域からして、気候帯からして、それは謎なのである。でも、その謎を解き明かしたところで、今さら… という思いもある。だから、ずっと謎のままでいい。


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早春の一時、約束したかのように数輪の花を付けて人知れず謳っている。毎年そんな健気な姿を見るたびに何故か込み上げるものがある。
拙作ではあるが、私達が手掛けた写真集でもこの谷のオオミスミソウを紹介した。その意図は、今ではこの森の小さな谷にすっかり馴染んでしまい、むしろ、 “よくぞ過酷な条件の下で生き長らえてくれたね” とエールを送りたい、そんな思いからだ。
この日、持参したレンズは迷わず2本。
最初から思い描いて覗いたファインダーの中には、まさに春を謳わんとするオオミスミソウの健気で変わらぬ姿があった。


<使用機材>
Canon 5DMarkⅡ
EF17-40mmF4L USM
Nikon D300
60mmF2.8ED Macro

by windy1957 | 2014-02-18 17:25 | memory of Satoyama