pode ser um romance

里山逍遥 memorandumⅨ 「彼の地へ…」

b0255992_1155666.jpg
そこは外秩父山系の一角にある小さな谷。
ヨーデルのような声でアオバトが鳴き、枯れ木を叩くアカゲラのドラミングが響く秘密の谷だ。
スミレ好きにはたまらない無類のポイントでもあるこの谷に、最初に足を踏み入れた時の興奮と感動は今でも忘れられない。斜面を埋め尽くすヒナスミレやアケボノスミレのサーモンピンク、相対するかのように青紫色に染まるヤマエンゴサクの群生、そんな林床にアクセントのように咲き集まるアズマイチゲとカタクリ。それは、まるで夢心地のような光景だった。

早春の花々たちの競演はあっと言う間に終わってしまい、1週間も過ぎるとあたりは一変する。この日は、所用で行きそびれていた秘密の谷に微かな期待を抱いて車を走らせた。出迎えてくれたのはご覧のナガバノスミレサイシンだった。このスミレはこのあたりの山域ならば大体見ることができるが、高尾山あたりで見られる薄いブルーのものに比べて、圧倒的に多いのが白花タイプだ。人によってはシロバナナガバノスミレサイシンというように妙に長たらしい名前で分別しているが、地域によっては微妙な色合いのものも咲いていたりするので、私はあまり拘った分別はしない。

来月にもなればあちこちからスミレ便りが届き始めるだろう。
谷がスミレ色に染まる彼の地へ行こう。
逸る気持ちを押さえて、週末が待ち遠しくなる季節はもうすぐだ。



<使用機材>
Nikon D300
SIGMA 17-70 F2.8DC HSM

by windy1957 | 2014-02-14 13:04 | memory of Satoyama