週末はスミレに会いに No6 「奥多摩・三頭山麓の森から」
このシリーズも、最終章が見え隠れする6回目を迎えた。
だけど、飽きるどころか、まだまだ会いたいスミレが目白押し。そうはいっても、季節は過ぎゆくばかり。毎週末都合がつくとは限らないし、雨が降っていては出掛けることを躊躇ってしまうし…
さて、この日は限りなく晴天に近い花曇りといった感じで、絶好のスミレ日和。
ということで、この時季としてはやっぱり外すことのできない奥多摩の観察ポイントへ颯爽と出向いたのだった。
【画像:シコクスミレ】
いつもの山道にはほとんどスミレの姿はなくて、ひとつふたつとエイザンスミレに出会うくらい。葉っぱは少し傷んでいたので、ほんのり桃色美人をアップで1枚。
こちらはハリギリ。別名はセンノキと呼ぶが、山菜の中でもその美味しさは屈指。ごま和え、酢みそ和え、煮浸し、どれでもOKだが、天ぷらがいちばん美味しいだろう。
ウコギ科の樹木の新芽は、ハリギリのほか、タラの芽、コシアブラ、ウコギなど美味しいものがいっぱいある。
山菜名はシドケと呼ぶが、新潟あたりではキノシタという名前で売られていることもある。こちらも茹でても、和えても美味しいが、やっぱりおすすめは天ぷらだろう。食する場合は、もう少し若いものを摘んだほうが良い。
山肌は、若葉を過ぎてすっかり新緑の頃。沢音を聞きながら、まずは目当てのスミレを探し歩く。
ということは、生きていくうえで適応性、順応性に優れ、スミレの中ではいち早く生存戦略を身に付けたエリートなのかも知れない。と、こんなふうにあれこれ想像するのも楽しい。
この山域で見られるのは、上弁がねじれて先が尖って反り返ってるタイプ。太平洋側のブナ林を中心とした落葉広葉樹林に見られる。
ソハヤキ要素と呼ばれる植物の一群であることも魅力的だ。ハート型の葉っぱを伴って、斜面に点々と咲いていたが、花数は昨年より少ない気がする。
この独特な花姿。どこでも見られるスミレではないので、愛しさのあまりなかなかその場を離れられない。
錯覚ではあったが、一瞬キスミレに見えてしまった(笑)
秋になると黄茶褐色の上品な黄葉になるが、新芽の時季はまるでブナのような装いになる。
ということで、遠征の達成感は今のところ7割程度といったところだ。
もうワンチャンス、どうしても逢いたいスミレがある。たぶんこのシリーズの最終章は6月下旬の頃だろう。
なので 「週末はスミレに会いに」 をもう少しお付き合いしていただければ幸いである。
by windy1957
| 2013-05-15 20:13
| wild plant